Blog 2024.09.01

brella™️米国発多汗症新治療を医師が解説

切らないワキガ多汗症治療ミラドライ専門のCLINIC N(クリニックN)東京銀座から、

今回は、米国発の新しい腋窩多汗症治療、brella™️ The 3-minute SweatControl  Patch™️について院長が詳しく解説します!(現時点ではアメリカの多汗症治療を行うクリニックでしか扱っていないので、今回の解説は米国で米国人に使用した時の話になります。ただ何年か後には日本にも入ってくるのではないかと思われます。)

brellaは、脇に3分間貼るパッチ剤で、クリニック内で医療従事者に貼ってもらう処方薬です。1回やると、3-4ヶ月の間脇汗を有意に減少させる効果が臨床研究で確認されています。

2023年4月に米国FDAから大人の原発性腋窩多汗症に対して承認を受けました。(小児は適応外使用で医師の判断下での使用になっています。)

脇にフィットするような楕円形のパッチで、パッチにはNa (ナトリウム、アルカリ金属)が含まれています。ナトリウムが水分(汗)と反応すると熱エネルギーが発生します。発生した熱が汗管に熱ダメージを与え、一定の期間汗腺を不活発にします。

これを、Targeted alkali thermolysis (TAT) technology、日本語に無理矢理訳すと「標的化したアルカリ熱分解テクノロジー」と言っています。

たくさんのナトリウムとたくさんの水を反応させると発火(爆発のような)してしまいますので、ナトリウムの量をコントロールして水(汗)があるところだけに作用するように設計してあります。(ですので絶対に自作で真似などされないで下さい。)

ブレラが効くためには、ナトリウムと反応する水がないとだめなので、ある程度汗をかいている状況でないといけないということになります。当院のミラドライ治療時の発汗テストでも、患者様に発汗していただくために身体を温めたり、二桁掛け算などの計算問題を出して焦らせて精神的発汗を促したりしたりしていますが、ブレラの治療時も同様に発汗を促すことが推奨されています。

FDAがbrellaの効果を承認したのはSAHARAという臨床試験の結果を受けてですが、

Evaluation of N-SWEAT Patch for Treatment of Primary Axillary Hyperhidrosis or Excessive Axillary Sweating

ClinicalTrials.gov ID NCT04599907     Candesant Biomedical, Inc.

SAHARA試験は多施設参加の二重盲検sham比較ランダム化試験(成分が入っているパッチと入っていないパッチを用意し、医者側も患者側もどちらを使用したか分からないようになっている比較研究試験)です。

多汗症重症度スケールHDSSで3か4の原発性腋窩多汗症110人を、成分が入っているパッチを貼られる群と入っていないパッチを貼られる群にランダムに振り分けます。22歳以上で発汗の重量測定法で5分片脇50mg以上の患者さんが参加しました。

両脇に3分間貼り、その後12週まで毎週フォローアップし、その時に効果が認められた人は24週目までフォローされました。

結果は2023年の米国皮膚科学会学術集会にて発表されましたが、

brellaを貼った群の64%の人が多汗症重症度スケールで1か2まで減少しました (成分が入ってないパッチのプラセボ群は44%の人が減少ー何も入っていないパッチを貼った群もプラセボ効果である程度効果があるように出る)。

また、brellaを貼った患者の60%が発汗の重量測定法にて50%以上の発汗量の減少を認めました。(プラセボ群は33%の人に認められました。4週間後における発汗減少量はbrella群で57mg、プラセボ群で18mgでした。

brellaの効果は通常3〜5日で出てくるそうで、効果の持続は14週目で48%、16週で43%の人に認められました。

気になる副作用ですが、brella治療群の78%が副作用はなかったそうです。22%は軽度の刺激や赤みなどの、軽度から中等度の副作用を経験しましたがほとんどが2週間程度で改善したそうです。重篤な副作用は見られませんでした。

brella™️は、米国テネシー州のCandesant Biomedical, Inc.という会社が開発した治療ですが、

①治療時間3分で速い

②針で刺されないので針が苦手な方にも使える、麻酔を使う必要がない

③アルミニウムを含まないのでアルミニウム製剤使用時によく起こる痒みやかぶれが起こりにくい

④ダウンタイムがほぼない

など魅力的な治療です。ワキ汗にお困りの方に、治療の選択肢が広がるのはとても良いことだと思います。

現時点でアメリカでのだいたいのお値段は、診察料も全部入れて両脇1回350ドル位のようです。日本円だと5万円強といったところでしょうか。日本に導入されるにしても数年はかかるのではないかと思いますが、導入されたら楽しみですね。

今回は米国発新しい腋窩多汗症治療brellaパッチをご紹介いたしました。

今後も新しい治療などが出てきましたらこちらで取り上げていきたいと思います。

文責:院長・管理医師 小川直美

(複製、転載、転用はご勘弁ください。)

多汗症治療 Brellaパッチを貼っている所の写真

CLINIC N (クリニックN)東京銀座
ミラドライ東京で口コミ1位(口コミ広場にて)
東京都中央区銀座7-13-1 STAGE GINZA 6F
銀座駅徒歩4分、東銀座駅徒歩3分、JR新橋駅徒歩7分
GINZA SIXそば

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院⻑ ⼩川 直美 医学博⼠

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