ミラドライ専門のCLINIC N(クリニックN)東京銀座から、ミラドライ診療に関するミラドライ認定医院長ブログ第55号です。
当院にいらっしゃる患者様から、ミラドライの料金(費用)がクリニックによってバラバラなので、
どれを選べばよいのかなかなか分からないというお声をいただいたりします。そこで今回は、ミラドライの価格(費用)の違いと、クリニック選びのポイントについて書いてみたいと思います。
ミラドライは保険適用にはならず、自由診療になりますので、現在は各クリニックで自由に値段を設定してよいことになっています。ちなみに日本でミラドライ治療が始まった当初はメーカーにより価格が統制されていたそうで、全てのクリニックでシングル照射で35万円と統一されていたそうです。どこかのクリニックが抜け駆けして値段を安くできないようになっていました。(そう考えますと、現在の広範囲ダブル照射が35万円程度で出来るというのは当初の頃よりかなり安いということになります)。ある時点から、各クリニックで独自の価格設定をしてよいことになりました。
現在のミラドライの価格で、比較的高額の場合と、安い場合とで何が違うか、考えられる理由を挙げてみます。
①ミラドライが安い場合はたいていの場合、看護師による照射である、または看護師による照射が混ざる(途中で手が変わる)などの可能性があります。
一番大きい部分が、料金が安めのところではほとんどと言ってよいのではと思いますが医師ではなく看護師が照射の施術をするという点だと思います。どこを照射するかの範囲を決定したり、マーキングをしたりも看護師がやるところもあると思います。医師は純粋に麻酔のところだけを行う形です。
医師自身が全ての照射を行っている場合は、アピールポイントになりますので、通常HPなどにそのように書いてアピールすると思います。書いていない場合は、結構な確率で看護師さんによる施術だと思われます。クリニックにミラドライ認定医の医師が居る旨が書いてあったとしても、実際に施術の大部分をやるのは看護師さんということです。
看護師の方でも、ミラドライの経験が豊富で、きちんとした判断が下せて、施術も丁寧な方でしたらよいと思いますが、雑な方などもいらっしゃいますので、やってみるまで誰に当たるか分からないというのは賭けのような部分が出てくる可能性があります。脱毛をされていらっしゃる方ですとご経験あるかもしれませんが、看護師さんで丁寧な方とそうでない方がいらっしゃったりすることがありますが、脱毛は10回などのうちの1回が雑な人でもまぁそういうこともあるか、という感じで済ませられるかもしれませんが、ミラドライはほぼ1回の施術になりますので、そこで雑な人に当たってしまうと致命的になりかねないです。安いといってもミラドライはそれなりの値段がしますので、雑にやられてしまうと悲しいと思います。その看護師さんもミラドライをご自身で施術するのが初めてかもしれません。信頼できる丁寧な看護師さんが指名できればいいですが、指名するのは難しいことが多いと思います。また、看護師さん施術の場合、臨機応変におまけ照射を勝手に行うなどはできないと思いますので、使用テンプレートのきっちり規定回数しかしないと思われます。
看護師さんが麻酔以外の全てをやってくれる場合(また、カウンセラーがカウンセリングをやってくれる場合)、その間医師は手が空き、他の患者様の他の施術をやることができますので、クリニック全体としての売上は上がり、その分ミラドライは安くできるということになります。
②照射範囲が狭い場合(照射回数が少なめの場合)。施術の手順が古くて正しくない場合。
照射範囲が狭い場合、照射回数が少ないということになりますので、施術時間が短くなり、回転率が上がり、その分安くできるということです。
「広範囲」の場合でも、各クリニックによって、何をもって広範囲かという定義が違いますので注意が必要です。例えば、当院ではほとんど幅は80(8cm)のテンプレートを使用していますが、幅60(6cm)でも広範囲とうたっているところもあるようです。
幅が60のままでも縦の長さが少し長くなれば広範囲、みたいな感じです。また、通常が幅40の場合は、幅60でも広範囲ということなのかもしれません。幅でいうと60ですと誰もが認める広範囲とは言えないのではないかと思います。
「テンプレートの転写によるマーキング」と「麻酔」の順番も重要です。
昔の手順である、テンプレート転写→麻酔の順番でやる場合、麻酔液で膨れる前の脇でテンプレート合わせをするので、麻酔後の膨れた脇でテンプレート合わせをするよりも範囲が狭く済みます。
これはいくら80幅のテンプレートを使用するとしてもです。麻酔前ですと、80幅のテンプレートで脇毛有毛部がすっぽり入っているように見えても、麻酔を入れた後の膨れた脇ですと80幅のテンプレートではみ出ている、またはギリギリの場合は結構あります。
撮影モニター様の実例を見てみます。古いやり方ですが、麻酔前にテンプレートの転写を行いました(撮影モニターの方で予めご了承いただいた上で行っております)。写真でお分かりいただけるかと思いますが、脇が膨れていない時は80幅のテンプレートでも脇毛有毛部の横幅はだいたい入っています。この状態だと横の辺縁は特に追加照射しなくても一見良いかのように見えるかもしれません。しかし、この後麻酔を入れていくと脇が盛り上がり、各照射位置の間が空いていきます。辺縁は大丈夫かもしれませんが、中央部で隙間が空いて打ち漏れができる可能性があります。
一度マーキングを消し、麻酔後にテンプレートの転写を行うメーカー推奨の最新の手順で行いました(当院のいつものやり方です)。麻酔後に脇は盛り上がり、特に横方向に皮膚がストレッチしていきます。麻酔をしてからテンプレートの転写を行うと、同じ80幅のテンプレートでも、背中側の有毛部は一部はみ出ています。こうなると少なくともそのはみ出ている部分はおまけ照射してカバーしなくてはならなくなり、必然的に照射回数は増えていきます。
このように、同じ80幅のテンプレートを使用した施術でも、前者の古い手順の場合、照射数は少なくて済み、施術時間が短くなり回転率が上がります。その分安くできるということです。しかしこの方法では、麻酔後に脇が膨れて、テンプレートが間延びし、各照射位置が離れていくので、真ん中の部分で打ち漏れが生じる可能性があります。広範囲と言っても実質狭い範囲しか照射していないということになります。
この施術の手順ですが、だいたい各クリニックのホームページに書いてあるので、クリニック選びをする際は必ずチェックすべきと思います。「施術の流れ」みたいなところに書いてあります。
一部クリニックで、テンプレートの転写をいつやるのかはっきり書いていない場合がありますが、その場合はクリニックにお問い合わせされるとよいと思います。
「麻酔の後にテンプレートの転写」が正しい手順です。
あとは、「ダブル照射」に関してですが、きちんと2倍の照射していない場合があります。2回目は中央だけ重ねる、エネルギーレベルを下げるなどを行えば、照射回数が少なくなったり、照射時間が短縮になります。「中央」というのもどのくらいの範囲なのかもその場にならないと分からないというのも賭けのようになっていきます。2回目は3分の1であったり半分の面積を照射するとなると、1.33倍照射とか1.5倍照射と言ったほうが適切なのではないかと思いますが、広告にはダブル照射と書かれていることが多いと思います。
また、エネルギーレベルに関してですが、エネルギーレベルとは照射時間のことですので、エネルギーレベルを下げると照射時間が短くなります。エネルギーレベルを下げて照射時間が短くなると比較的浅めのところしか焼きませんので、汗やにおいへの効果は下がる可能性があります。エネルギーレベルのことをよく出力かのように言っている説明を見かけますが、エネルギーレベルは出力ではなく、出力は1種類しかないため、エネルギーレベルを下げてレベル1で照射しても「最高出力で照射しています」と、いかにも強力にやっているかのように言えてしまいますのでお気を付けいただいたほうがよろしいかと存じます。
この照射範囲(照射回数)やエネルギーレべルに関しては、最終的には施術時間で判断するしかなく、完全2倍の広範囲ダブル照射ですと、会計やお冷やしなど全部の工程を入れると4時間~4時間半はかかります。全部の工程が3時間などで終わる場合は、エネルギーレベル5を使用して完全2倍の誰もが認めるような広範囲のダブル照射ではないと思われます。
シングル照射で広範囲でないミラドライですと、両脇で40照射位のことが多いのではないかと思いますが(見聞きした中で最小は両脇で24照射でした)、当院の広範囲ダブル照射ではかなり華奢で小柄な女性でも140照射ぐらいはしており、だいたいの方は150-180照射位、男性でかなり範囲が広い方で最高ですと200照射などしておりますので、照射数が4倍や下手したら5倍も違う中で料金が違わないほうがおかしいということになります。
(注:おまけ照射分は医師の判断で場所や回数を決めております。)
③HPなどに表示の金額と実際の金額が違う、または大きく書いてある値段の他に麻酔・薬代などが別に設定されていて、それを足すとそれなりの金額になる。
HPなどで表示されている金額は最低限の金額なのであって、実際にかかる金額はもっと高いということがありえます。
カウンセリングに行くとオプションをいろいろ付けられて、ミラドライの照射範囲や照射数が変わらなくてもHPでの表示金額より15万円以上高かったというお話も聞いたりします。もちろん勧められた諸々のオプションを全部断れば、HP表記の値段でできるのかもしれませんが、なかなか断るのも難しい場合もあるかと思います。
またミラドライは大きく○○円と書いてあっても、別途麻酔代・薬代・診察代等の名目で□万必要と小さく書いてあり、合計するとそれなりの値段がするというパターンもあります。HPに書いてあればまだましですが、カウンセリングに行って初めて言われる場合もあるようです。
④かかるコストを下げている場合
普通に企業努力でコストを下げるのでしたら良いのですが、そうでない場合もありえますので、注意が必要です。
過去に話題になったことがありますが、原材料としてはチップが比較的高額なのですが、施術時に血がついたりしますので各患者様ごとに使い捨てになっていますが、あるクリニックで複数人の患者様で同じチップを使い回しているという話が内部告発的なもので広まった時がありました。例えば2人に使い回すとコストは半分になるということのようです。また、「テンプレートがない」という記述も見たことがありますが(購入していないのか、謎過ぎますが)、そのように本来必要なはずの原材料の原価がかけられていない場合、かなり安くできるのかもしれません。
企業努力的なコスト削減ですと、麻酔のところでも述べておりますが、6㎝位の長い23Gカテラン針1本で麻酔していく場合、原価は15円程度ですが、当院の麻酔のインジェクションプレートと極細針のセットですと1500円位かかり、コストが異なります。麻酔液はそのままだと酸性で注入すると痛いですが、当院ではメイロン(炭酸水素ナトリウム溶液)という薬剤を混ぜて中性にしてから注入する方法を採用して痛みの軽減を図っております。このメイロンを足すか足さないかは個々のクリニックの判断になりますので、注射がより痛くなったとしてもメイロンを足さなければその分のコストは浮くことになります。そうした1個1個のコストの違いは大した金額ではないかもしれませんが、塵も積もればという感じで足していくとそれなりの違いが出てくる可能性があります。
以上、ミラドライの料金が違う考えられる理由を挙げてみましたが、
ミラドライのクリニック選びのポイントとしては、
・麻酔以外のテンプレートや照射の工程は誰が施術するのか(医師が必ず全てやるのか、または途中で看護師に交代する場合があるのか)?
・照射範囲はどのくらいなのか、テンプレートの数値をきちんと確認する、エネルギーレベルも同様。はっきりしない場合はトータルの施術時間で判断する。
・施術手順は、「麻酔」の後に「テンプレート」の最新の正しい手順でやっているか?
・各種オプションの代金、麻酔代、薬代、診察代など、全て足した料金の総額を確認する。
ことが重要です。
もちろん個々の患者様で求めていらっしゃるものは違うと思います。例えば軽度のワキガなので、シングル照射で脇汗やにおいが半分位減ればいいや、という方もいらっしゃるかと思いますし、自分の場合は真ん中からしか汗やにおいが出ないのが分かりきっているので、真ん中だけの照射でいいです(辺縁は打ち漏れて構わない)という方も過去にいらっしゃいました。
それぞれの患者様の求めていらっしゃるものに合ったものを選ばれることをお勧めします。
ただ、当HPでは何度も言っておりますが、ミラドライは何度も何度もできる施術ではないですので、価格が安いからといって、中途半端な施術を受けられて後に後悔されてもそれ以上重ねられなかったりします(重ねてくれるクリニックがあったとしても実際皮膚がどうなるかは分かっておりません)。費用的な意味でも、後に後悔されて再度施術を重ねる場合、結果として総費用は高くつきます。
当院といたしましては、最初からしっかりとした治療をお勧めいたします。
CLINIC N (クリニックN)東京銀座
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