Blog 2023.01.08

ミラドライの死亡例を受けての注意喚起について ミラドライ認定医が説明

ミラドライ専門のCLINIC N(クリニックN)東京銀座から、ミラドライ診療に関するミラドライ認定医院長ブログ第42号です。

最近、スソのミラドライで術後6日目に死亡したとされる症例報告の論文があったと注意喚起がありました。(係争中案件のようですが)
症例報告の論文自体はオンラインで昨年5月に出ていたようで、最初の投稿が2022年1月ですので、2021年位の話なのでは?と推測しますが、今頃注意喚起が出ているのもよくわかりませんが・・・

当院でも現在は期間が終了しておりますが、期間限定でスソ(V・Iのみですが)のミラドライをやったりしていましたが、当院の患者様ではありません。また、当院の治療で感染を起こされた方もいらっしゃいません。
当院のスソのページやブログ(現在は期間終了しているため掲示しておりませんが)に記載しておりましたが、ミラドライは脇の治療器であって、スソなど他の部位の治療は適応外になります。効果や合併症がどうなるかのデータは存在せず、未知数です。当院のページやブログには繰り返しその旨書かせていただき、それをご理解いただける方、また患者様も過去に脇のミラドライなどの治療をやられてその経過を実際に体験されている方、術後のケアなども一通りやられたことがあって問題なく経過された方に限っておりました。術前にやり取りをして、当院からの各種注意事項も守っていただけて信頼関係が構築できると思われた方のみに行うなどしておりました。術後は脇よりも長期間の抗菌薬の内服、ゲンタシン軟膏の塗布、1日2回の洗浄などをやっていただいており、患者様にもご協力いただき
それら全体が合わさって良い方向に向かったのか、感染は起きていません。

当該論文を読みましたが、同じ医療従事者として身につまされる思いです。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り致します。

症例報告の論文は、救急で受け入れた病院側の方が書いていらっしゃるようですので、
ミラドライ施術時の消毒のやり方や麻酔のやり方、照射を具体的にどのように行ったかの詳細までは分かりません。術後の処方の仕方も当院の処方の仕方とは異なります。係争中ということになりますと、他の要因を主張されている可能性もあります。

当院はOはやっていませんでしたが、やはり陰部全体として、脇より汚くなりやすいというのもありますし、Vはともかく、Iの皮膚がやはり脇とは違い、薄くて柔らかく、脇とは違う印象です。吸引・照射もうまくかからないときもあります。
他院様におかれましても、スソのミラドライのメニューを取り下げられていらっしゃったりするようで、当院といたしましても、こういう事例があることを耳にいたしますと、今後スソ施術は難しいと感じております。
今後は他の治療法になっていくのかもしれませんが、他の治療法だとしても、未承認であったり、効果や合併症のきちんとしたデータが存在していなかったりする可能性があり、患者様におかれましては、慎重にリスクを吟味されてご判断いただく必要があると思います。

話は少しずれますが、感染の話が出ましたので、これを機に脇のミラドライの合併症としての感染について書いてみます。

脇でもミラドライの合併症として感染(+膿瘍形成)はありえます。
当院の患者様では感染を起こされた方は幸運なことに今までいらっしゃいませんが、日本全国的、世界的には感染の合併症は報告されています。
膿がたまると最悪切開して排膿しなくてはいけないということになりますので、
ミラドライは切らない治療のはずだったのに、結局脇を切るということになったりしかねないということになりますので患者様におかれましては施術前後お気を付けください。
医療提供側の問題の場合もあると思いますし、患者様側の問題の場合、または両方の場合もあると思います。

当院の脇の施術ですが、まず最初にエタノールで脇全体を消毒して施術が始まります。
麻酔時にはべゼトン(マジックのマークが消えないようエタノール以外)で念入りに消毒の上穿刺しております。
術中に使うガーゼはメーカーの指示どおり滅菌ガーゼを使用しております(←これに関しては、ミラドライは切ったはったの手術ではないですし、チップ自体が何年か前から製造時に滅菌ではない仕様ですので(メーカーの判断)、ガーゼだけ滅菌のものを使用して意味があるのかやや懐疑的ではありますが、指示に従っております)。
術後はゲンタシン軟膏を塗布します。
術後の抗菌薬内服の必要性は賛否両論あるかもしれませんが、当院は抗菌薬を3日分処方して、最後まで飲み切っていただいております。

患者様側にやっていただいているのは、メーカーが言っていることですが、術後1日2回(朝・晩など)、シャワーで脇を泡でやさしく洗っていただいております。当院では3日間は朝・晩やっていただいて、4日目から1日1回湯舟に入る普通の入浴に戻していただいたりしています。感染予防のためにメーカーから言われていることなのですが、ご説明しても、なかなか受け入れていただけない場合もあり、本当にやらなくてはいけないのか?とか、軽く水含ませた布で拭くだけじゃだめなのか等々、なかなかすんなり受け入れていただけない方もいらっしゃるのですが、必要がなければメーカーも言っていないと思いますし、患者様ご自身のお身体のためですので、どうかご協力いただけましたらと存じます。

また、脇の剃毛ですが、施術の4~6日前にやっていただいております。直前に剃毛されると、剃毛のときについた小傷から菌が入って感染が起こりやすくなるとされています。また、術後3日間は制汗剤のご使用を避けていただいております。どうしても使わなくてはいけない場合は、使いかけのものではなく新しく開封したものを使うようにとのことですが、3日間位は脇の腫れもありますので、汗やにおいはほとんど全てのケースにて無いと言って良いぐらい出ないですので、使う必要性自体がないと思います。

また、アトピー、アトピー体質の方、湿疹ができやすい方など、皮膚のバリア機能が損なわれやすい方は、程度にもよりますが、感染のリスクが高まりますので、ボトックスなどの他の治療をお勧めすることがあります。予め伺ってもご申告いただけず、当日になってから突然ご申告される方がいらっしゃいますが、強行突破で施術を受けられるのはお勧めいたしません。

また、感染のみならず、全体的になのですが、ミラドライの施術を軽く考えられていらっしゃる方が時々いらっしゃるのですが、確かに切らない治療ですので、簡単にできると思われるかもしれないのですが、それなりに体に負担がかかります。ミラドライは両脇の皮下全面にやけどを作っているような治療になります。また、麻酔も結構な量を使います。
ちょっと髪の毛を切りに行くような感覚で受けるような施術ではないです。

例えば、遠方から片道3、4時間かけて日帰り弾丸のような旅程の中で受けられようとされたり、または、旅行の途中で立ち寄ってやろうとされたり、
思い立ったその日に予約してその日に受けようとされたり、
他の美容整形手術などのダウンタイム中についでにやろうとされたり・・・等々
というのはお勧めしておりません。

ミラドライの施術の前は体調を整えていただいて、
術後1週間は、日常生活上の基本的動作で仕方ないことはやっていただいて仕方ないですが、なるべく腕や肩を動かさなくて済むならそれに越したことはないです。1週間後から腕をゆっくり回してくださいという感じですので、1週間の間は肩・腕のストレッチや、積極的に腕を動かしてどこまでできるか試したり、重いものを持つなどは控えていただいております。
翌日は(できれば翌々日も)、お仕事はお休みが取れるようでしたら、そのほうがよろしいかと存じます。

お一人暮らしの方は、事前に掃除・洗濯など済まされて、重い水などは予め買っておいて・・・という方々もいらっしゃいますが、全然おかしくないです。

脇の感染が起き、膿瘍が形成されると、長期間の抗菌薬の内服や点滴、最悪の場合入院の上切開排膿が必要になったりしかねませんので(また、合併症による他院受診・治療費用はどこもそうだと思いますが患者様ご負担になります)、患者様にもご協力いただきながら、細心の注意を払って施術していくことが重要だと考えております。

ミラドライのダウンタイムについては以下のブログも合わせてご一読ください。
ミラドライのダウンタイムについて
ミラドライのダウンタイム~脇の見た目編~

 

ミラドライ厚労省承認機使用、FDA承認

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完全貸し切り状態で他のお客様にクリニック内で遭遇することはありません。 施術室も常時窓を開けての換気、マスク着用、消毒、手洗い、検温、体調管理徹底しております。

ミラドライ 切らないわきが・多汗症治療 マイクロ波で汗腺を焼灼
治療回数通常1回  自費診療 292500円~428560円税込
副作用:治療部位の疼痛・腫脹・皮下出血・減毛、感覚の変化等

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院⻑ ⼩川 直美 医学博⼠

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